ちょっと前のことになってしまいますが,5月17日から,和歌山県南紀白浜で,
自由法曹団という民主的法律家団体の憲法討論集会及び5月集会に参加してきました。
その直前には,安倍首相が,集団的自衛権の行使を認めたいと会見を行っており,
まさにこの時期に行われた憲法討論集会は時宜を得たものになりました。
この憲法討論集会は,5月集会の直前に行うことになっており,当初は,関東方面からの交通の便が悪いということもあり,参加者が少ないという話しでしたが,実際には150名以上(5月集会全体では参加者480名くらい)が参加しており,安倍「暴走」政権と闘わなければという気概に溢れていました。
実際,自由法曹団の集まりとしては10数年ぶりに会った同期の弁護士もおり,「めずらしいね。」って声をかけると,「やっぱりこの時期に憲法について考え,自分でも広く発信していかなければならないから,勉強と各地の取り組みを知るために参加した。」ということで,今,闘わないで,いつ闘うという熱意を感じました。
集団的自衛権行使の内容については,以前にもブログ「限定という言葉のマジック」で書きましたのでここでは触れませんが,しかし,安倍首相の会見は酷かったですね。
何が酷いかって,パネルを用意して例としてあげた日本人の避難者を乗せたアメリカの艦船を自衛隊が守れなくてもよいのかという事例において,「おじいさん,おばあさん,お孫さんを救出輸送しているアメリカの艦船が攻撃されているときに見殺しにしていいんでしょうか。」などと感傷に訴えるような説明をしていましたが,
そもそも安倍首相は,「日本を守ってくれる米軍が攻撃されているのに,日本はアメリカを助けなくていいのか。」とか「米軍が攻撃されているときに,日本が何もしないということになると,その瞬間に日米同盟は破綻する。」などと言って集団的自衛権行使の必要性を訴えており,完全に話しをすり替えていました。
また,海外で活動する日本人が現地で襲われたときに自衛隊が駆けつけてこれを救出する必要があるということも言っていましたが,そもそも2004年にイラクで活動していた3人の日本人の身柄が拘束されたとき,そんなもん「自己責任だ」と言って冷たく突き放したときの与党自民党の幹事長は安倍さんであることを私たちは忘れてはなりません。
つまり自分の都合だけで主張がクルクル変わるのですから,安倍首相の言うことなど信用できるわけありません。
埼玉弁護士会では,6月9日(月)の正午から,埼玉県庁を出発点として集団的自衛権行使反対のパレードを行います。
また,同じ9日(月)の夕方,これは各地の民主団体の主催ですが,埼玉県内の各駅で,やはり反対を訴える行動を行います。
是非とも,多くの方に参加してもらえるようお願いします。
(弁護士 青木努)