趣味から平和を考えるシリーズ②
『平和思想とガンダム』
(前回のブログはこちら→「平和」を歌うL’Arc~en~Ciel~趣味から平和を考える①)
私は、ガンダムシリーズが大好きです。ロボットアクションはもちろんのこと、世界観や描かれるキャラクターなど、魅力的な映像がそこにあるからです。また、シナリオもとてもすばらしいと思います。基本的に描かれているのは「戦争」そのものですが、メインで描かれているキャラクターの考えや、目指しているところは「平和の実現」にあります。
平和を標榜しながら武器を取ってしまう(取らざるを得なくなってしまう)ところに、この物語の切なさ・やるせなさがあります。
ガンダムシリーズでは,様々な「名言」が生まれていますが,戦争そのものや平和に関する台詞には強いメッセージ性を感じます。「完全平和主義」が謳われるなど,戦争と平和の問題はガンダムシリーズにおける主題といえるのではないでしょうか。
「殺されたから殺して,殺したから殺されて,
それでほんとに最後は平和になるのかよ!!」
(カガリ・ユラ・アズハ)
先日閣議決定をされた「集団的自衛権」の行使は,自国と緊密な関係にある国に対する攻撃を自らの国に対する攻撃とみなして自衛権を発動するというものです。
劇中では、親友同士が敵味方に分かれ、苦悩しながらも戦いを続けていたところ、その結果お互いがお互いの友人を殺したために、親友同士で殺し合いをする結果となってしまいました。これまで戦後60年以上の間、我が国の国民は、戦死したこともなければ戦争で外国人を殺したこともありませんでした。殺し・殺される関係を認めてしまえば、パレスチナのように怨嗟による紛争は止まるところを知らず、我が国もテロの対象にされかねません・・・
「寒い時代だとは思わんか?」
(ワッケイン少佐)
海外で自衛隊員が戦死するようなことがあれば、自衛隊員を目指す若者はいなくなるのではないでしょうか。その結果、徴兵制が導入されることが考えられます。
すぐには徴兵制とはならないでしょうが、少なくともこの貧困・格差社会において、経済的な理由から就職のために自衛隊を選択せざるを得ない状況、いわば「経済的徴兵」という自体が起こることは容易に推測できます。劇中では、素人軍人の10代の若者たちが戦地に赴くのを目の当たりにした一将校が、こうつぶやきました。孫子が戦地に行くような国には決してなって欲しくありません・・・
「そして,君たちが大人になったとき,
二度と戦争が起こらぬよう平和な世界を築くため真剣に努力して欲しい。
それが遺された者の務めであり,義務なのです。」
(アルフの通う学校の校長先生)
(弁護士 金子直樹)