6月28日土曜日の昼下がり,当事務所の増田悠作弁護士が
憲法学習会の講師として招かれ,お話をしてきました。
会場は,埼玉県上尾市のNさんのお宅です。
ご近所さんやお友達をなど誘い合って,
参加者は女性ばかり,総勢12人です。
玄関を入ると,「わあー,いらっしゃいませ」と
参加者から喚声と拍手でお出迎え。
レジュメに沿って1時間ほど講義。
レジュメは8ページもあり、結構なボリュームです。
まず,用語解説から
■「国連憲章」「個別的自衛権」「集団的自衛権」「集団安全保障」「解釈改憲」
…むむっ,やはりちょっと難しいぞ。
それに,全部漢字だし。でも,これがわかってないと話が進まない。
■7月1日に閣議決定されるかもしれない集団的自衛権行使容認の「案」の中身について説明。
…世論調査では,集団的自衛権行使には「反対」が多いが,
「必要最小限度の行使」「限定的行使」を選択肢に加えると「賛成」が多い。
解釈改憲には「反対」が多いとのこと。世論も揺れているようです。
■憲法・立憲主義とは何か
…憲法は最高の法規。憲法に反する法律は無効=「立憲主義」。
もちろん,憲法に反する閣議決定だって無効。
■集団的自衛権行使の本当のねらいとは
…ずばり,海外への無制限な派兵を可能にすること
その後,ちょっと休憩してお茶を。
和菓子,洋菓子,アイスなど持ち寄ってほっと一息です。
参加者から,次のような質問がでて,増田弁護士が答えました。
Q1.集団的自衛権容認の「閣議決定」は本当にされてしまいますか。国民には知らせず,
しかも反対意見も強いのにしてしまっていいのでしょうか。
また,されてしまった後の運動の仕方はどうすればいいのですか。
Q2.友達が,「尖閣,竹島の問題などで日本政府は中国・韓国に対して弱腰ではないか。
いつか日本の領土が侵略されて,なくなってしまうのでは。
だから,集団的自衛権が必要なのでは」と心配していた。どう答えたらいいのか。
A1.閣議決定は「内閣の合意」ということだから,されてしまうかもしれません。
12月にアメリカとのガイドライン改定の協議があるので,そこに向けて急いでいるのだと思います。
でも今後,実際に集団的自衛権を行使するための自衛隊法の個々の法律を改正する必要があるので,
今後も運動を続けていくことが必要ですね。
A2.尖閣,竹島の問題は「個別的自衛権」で対応できる問題です。
ここで集団的自衛権を持ち出す必要はない。
国と国との問題を解決するのに武力だけで解決するのは間違い。
話し合い=外交力で解決するのが現在の国際政治の基本です。
その後,感想など交流しあい,また討論の時間は1時間以上に。
白熱しました。
国会議員に抗議のファクス(6.17ブログ参照)を送っている方,
集会に参加している方もいました。
こういった学習会に初めて参加したという方もおり,
「講義の内容にも,皆さんの熱意にも圧倒されています。
でも,勉強させて頂いてありがとうございます」との感想も寄せられました。
決して大規模な学習会ではありませんが,こういう場をたくさん持ち,疑問を解決していくこと,
小さくても一人一人が出来ることをコツコツやっていくことが,
運動を広げる礎になっていると信じます。
このテーマの学習会以外にも,
当事務所では「弁護士とお茶会しませんか」のキャッチフレーズで,講師要請を受け付けています。
皆様,ご遠慮なくお問い合せ下さいね。(→講師要請についてはコチラ)
(事務局 頼高)