2014年5月15日
首都圏建設アスベスト訴訟第2陣訴訟を,東京地裁と横浜地裁に同時提訴しました。
また,両地裁への提訴に合わせて,「建設アスベスト訴訟の早期解決をめざす全国決起集会」が日比谷野外音楽堂で開催され,弁護団員の一人として参加してきました。
首都圏建設アスベスト訴訟は,建築作業に従事し,石綿粉じんにばく露した結果,肺がん,中皮腫,石綿肺等の重篤な石綿関連疾患に罹患した(あるいは死亡した)患者が統一の原告団を結成し,被告である国及び石綿含有建材製造メーカー数十社に対し,損害賠償を請求している事件です。
この事件の原告は,肺がん,中皮腫,石綿肺という予後の極めて悪い病気にかかってしまった方々であり,第1陣訴訟が提起された2008年5月から現在までの約6年間で,実に92人もの原告が亡くなってしまっています。
そのため,弁護団としても,早期解決を目指して日々活動しています。
建設アスベスト訴訟は,東京,横浜以外にも,2011年には北海道,京都,大阪,福岡でも同様の訴訟が起こされており,全国的な訴訟となっています。
2008年5月に提起された第1陣訴訟は,現在,東京高裁に係属しています。
当日は,早めに出たはずだったのですが,いつもと違う入り口から公園に入ったため,不覚にも公園内で迷ってしまい(声のする方向に歩いて何とか着いた),野音に着いた頃には,既に集会が始まってしまっていました。客席は既にほぼ満席だったので,後ろの方で立って見ていたところ,土建の方から声をかけてもらい,途中から壇上の椅子に案内してもらいました。
集会では,全国各地から,訴訟の原告や支援者,弁護士らが駆けつけ,今後,より一層連帯を強め,被害の全面的解決に向けて様々な運動を行っていくことや,第2陣訴訟では,第1陣訴訟での成果を引継ぎ,より良い解決を目指していくことが確認されました。
参加者からは,熱のこもった連帯の挨拶が続き,自分の持ち時間をオーバーしてしまう方が続出したため,終盤は,時間の都合上,「3分でお願いします…」,「2分でお願いします…」とアナウンスが入り始め,最後は発言者自ら「…時間がないので割愛します。」とせざるを得ないほど時間がおしてしまったりと,参加者の熱意を感じる集会となりました。
決起集会終了後は,会場で配られたうちわを持って,デモ行進を行いました。
原告の中には身体の悪い方もいるのですが,皆さん懸命に声を出して行進されていました。その姿を見て,より一層頑張らないといけないと決意を新たにしました。
街中で署名運動等を見かけた際は,是非ご協力いただければと思います。
(弁護士 増田悠作)