本日は、九条俳句訴訟原告弁護団事務局次長である石川弁護士をはじめ
埼玉中央法律事務所で弁護団に所属している弁護士から勝訴の報告と御礼のコメントをお届けいたします。
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10月13日14時すぎ,さいたま地方裁判所正門に歓喜の輪が広がりました。
俳句「梅雨空に 『九条守れ』の 女性デモ」を公民館だよりに掲載しなかったさいたま市公民館職員らの行為が,「原告の思想や信条を理由として」「不公正な取扱いをした」もので「違法」であることが,裁判所に認められたのです。
勝訴です。
この裁判は,公民館から不掲載の電話が来た時に,「それは認められない。」と毅然とした対応をとられた,俳句会代表代行と作者である原告の勇気ある行動が原点でした。九条俳句不掲載から約3年4か月,提訴から約2年4か月。この間,有志のみなさんが立ち上がり市民応援団が結成され,1000名を超える会員をはじめとした多くの市民の方々が自らの問題として運動を作り上げてくださりました。
そして,「このままでは公民館,社会教育,民主主義が死んでしまう」という切迫感をもって,社会教育をはじめとする研究者の方々が,運動と訴訟を理論面からリードしてくださいました。心あるジャーナリストの方々は,この小さくて大きな問題の本質を,全国に届けてくださいました。
このような皆様の想いを裁判所に届ける作業に僅かでも寄与することができたのであれば,弁護団員としてこれほど幸せなことはありません。
原告の女性は,私たちには計り知れないご苦労をされてきたことと思います。
しかし,このご苦労はまだ本当の意味で報われてはいません。
我々弁護団は,不掲載という違法状態が解消され,九条俳句が公民館だよりに掲載される日が来るまで,そして,さいたま市が同じ過ちを繰り返さぬよう体制を整備するまで,皆様とともに闘い続けます。
九条俳句訴訟原告弁護団事務局次長 石川智士
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憲法12条に「人権は不断の努力で欲ししなければならない」と規定されていますが,今回,立ち上がった原告,支えた原告の友人,俳句会の皆様に,市民応援団と教育学会・公民館学会の学者ら市民の努力でさいたま市の行為が違法であることを勝ち取り権利が守られたのだと思います。
そのような,九条俳句裁判に,当事務所の若手の弁護士が全力を尽くして頑張ってくれたこと,手前味噌ながら,誇りに思います。石川さんを中心に,増田さん,小内さん,近藤さん,金子さんは実際に起案をしていますし,特に石川さんは,様々な集会・討論会・学会などに多数回参加してくれました。およそ行政が,中立公正を自分に都合が良い使い方をして市民の権利が制限されることはあってはならないことであり,今後とも注視していく必要があります。
九条俳句裁判も,判決がゴールではありません。引き続き,市民目線を忘れずに,運動を作っていきたいと思います。共に頑張ってくださった皆様,応援して下さった皆様,心より感謝申し上げます。有り難うございました。
(弁護士 久保田和志)
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久保田先生の統率力、石川先生のがんばりが勝利に繋がったと思います
小内さん近藤さんの尋問や、旗出しの時の得意げな顔も良かったです(笑)
(弁護士 金子直樹)
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判決では「憲法アレルギー」と表現していますが、今回の公民館職員のように「政治アレルギー」に陥っている公務員は少なくなく、今後もこのような事件が起こる可能性は大いにあります。そのような意識の背後には、本来自由であることが原則である政治活動を必要以上に規制する公選法や公務員法などによる長年に亘る萎縮効果があることを忘れてはいけないと思います。そこでは原則と例外の逆転が長年容認されてきたのであり、今回のように原則を当たり前のように認めさせることすら容易ではありません。
今回、原告は、そのような巨大な権力に立ち向かい、勝訴判決を勝ち取りました。全国の同種事件の流れを変える大きな成果だと思います。弁護団・支援者も力を結集して取り組みましたが、特に原告の気苦労は相当なものだったと思います。(まだ市の対応がわからないので、)ひとまず、本当にお疲れ様でした。
(弁護士 増田悠作)
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提訴から2年4か月・・・長い戦いでしたが、俳句不掲載は違法という判決を得ることができました!
全国各地で同じような問題が起きている中、行政の不公正な取扱を違法としたこの判決は大きな意味を持っていると思います。原告ご本人・弁護団・応援団・学者の先生方・ご支援してくださった方々みんなの思いや力が集まって、得られた判決です。ご支援・ご協力ありがとうございました!
これで終わりではありません。これからもご支援よろしくお願い致します。
(弁護士 近藤里沙)
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さいたま地裁判決は、公民館の職員らが元教員で、教育現場での憲法に関する意見の対立を目の当たりにして辟易し、一種の「憲法アレルギー」に陥り、「九条守れ」という憲法に関連する文言が含まれる俳句に抵抗感を示したと判断しました。判決がここまで踏み込んでさいたま市を断罪したのは異例であり、画期的です。
私たちの暮らす社会は、日本国憲法の下、さまざまな意見を自由に学び、表現することができる社会です。どのような立場の意見であっても、公権力が差別したり排除することは許されません。私たちは、これからも市民の皆様とともに、自由な日本社会を守っていきます。
(弁護士 小内克浩)
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原告の方、裁判を支えて頂いた応援団の方、弁護団の先生方がともに勝ちとったとても意味のある裁判だったと思います。さいたま市以外でも全国的に表現や言論の自由に対して、行政が中立公正という理由で市民が政治的なことを言わない関わらないように、制限をかかってきている風潮なのかなと思います。
個それぞれが主張することを良しとしない全体主義のような時代になっていくなかで、このような裁判がされたことは今後同じような事態があっても、それに抗う人々の道しるべになるのではないかと思います。
自分の好きなことができないような国にはしたくないですね。
(事務局長 塚越)