「適格消費者団体」という団体があります。
不特定かつ多数の消費者の利益のために差止請求権を行使するのに必要な適格性を備えているとして、内閣総理大臣の認定を受けた団体です(消費者契約法2条4号)。
適格消費者団体が行う差止請求は、消費者団体訴訟、といわれる制度で、
2006年の消費者契約法改正により導入され、2007年6月7日から施行されています。
事業者の不当な行為(キャンセル料が高い、何かのときに事業者がまったく責任を負わないことになっている、など)に対して、改善を求めたり、今後行わないことを求めたりするというもので、消費者の被害の発生や拡大の防止をすることができます。
被害を受けた消費者個人の救済ではなく、広く消費者全体の救済につながるもので、
とても画期的な制度です。
何が差止請求の対象となる「不当な行為」にあたるかについては、消費者契約法(不当な勧誘、不当な契約条項)、
景品表示法(優良誤認表示、有利誤認表示)、特定商取引法(不当な行為)という法律で定められています。
2015年3月現在、全国には、12の適格消費者団体があります。
埼玉には、「NPO法人埼玉消費者被害をなくす会」という適格消費者団体があり、当事務所の弁護士も検討委員として参加しています。
消費者被害を予防するために、日々活動していきますので、契約内容や勧誘方法で「何かおかしいな」と思ったら、ぜひ、お近くの適格消費者団体に情報提供して下さい。
※個別の被害救済については、弁護士にご相談ください。
(弁護士 宮西陽子)