この梅酒を仕込んだのは,もう5年も前のこと。
自家製果実酒を以前から作りたいと思っていたものの,
根がナマケモノなもので,なかなか一歩が踏み出せなかった私。
それが,なぜか5年前のある日,突如やる気がわいてきて,
大きな瓶と,青梅・ホワイトリカー・氷砂糖を買い込み,はじめての梅酒を仕込んだのでした。
「梅酒なんてつくっちゃって,なんか私,良い妻っぽいわ~」
と,一人悦に入っていたのですが。
この梅酒を仕込んだ直後に,妊娠が判明。
まさか,お酒が飲めない体になってしまうとは,
まったく計算外でした。
その後は飲みごろになった梅酒の瓶を,しばらくは「飲みたいなあ」と未練がましくちらちら眺めたものでしたが,子どもが生まれるとそれどころではなくなり,梅酒の瓶もキッチンのシンク下の奥へ奥へと追いやられ,私の視界からフェードアウト。
二人目の子どもが生まれてからは,完全に頭の中からその存在は消えていました。
それがつい先日。
「これ,なに?」
息子たちがシンク下を探索(今,冒険ごっこがはやってます)していて,発見されたこの梅酒。
放置もとい,熟成5年を経て,ようやく日の目をみることになりました。
お店などでのむ「●年熟成梅酒」って,美味しいですよね。
香りが豊かで,味は角がとれてまあるくなって。
わが家の5年ものも,きっとそのような味になっているだろうと,期待は高まります。
子どもたちが寝たあとで,一人こっそり飲むことにしました。
思い返せば,この5年。
子育てに追われ,あっという間に過ぎたなあ。
子育ては思いどおりにならないことの連続で,
これまで自由に自分の好きなように生きてきた私は,大いにイライラしたものでした(今もするけど)。
でも。子育てのイライラも,泣き笑いも,全部自分の糧となり,
私自身ちょっとは熟成できたのではないかしら。この梅酒みたいに…。
なんて,ちょっと感慨に浸りつつ,さて,では一献。
いただきます。
美味しい。
(2秒後)てか,強っ!!!
喉の奥がかーっと熱くなります。度数が強すぎ!なんじゃこりゃ。
そういえば,仕込んだとき,ホワイトリカー余ったの,「えーい,いれちゃえ~」と
かなり多めにいれちゃった記憶がぼんやりと。ああ,適当なこの性格が恨めしい。
うん,結論。
うちの梅酒も,私自身も,まだまだ熟成が必要ってことですね。
(事務局 井深)