一定の労働者を労働時間規制から外し、残業代をゼロにしてしまう
高度プロフェッショナル制度(高プロ)が盛り込まれた
「働き方改革関連法案」が衆議院で強行採決されようとしています。
高プロ法案が成立すると、対象となった労働者はどんなに長時間労働しても
残業代がゼロとなり、長時間労働の歯止めがなくなってしまいます。
高プロは際限ない長時間労働を招く危険極まりない制度です。
当事務所の弁護士全員が加入している日本労働弁護団は、
5月22日に日比谷公園で高度プロフェッショナル反対の集会を開催しました。
22日夜、日比谷野音には、多くの弁護士・労働者・市民、
そして過労死で家族を亡くした遺族の方々、1800人が集まりました。
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1886年5月1日にアメリカ各地で8時間労働制を求め35万人がストライキに立ち上がりました。
当時12時間から14時間労働が当たり前の中で「8時間働き、8時間休み、8時間は自由な時間」で暮らすことが働く者の大きな要求でした。その後、8時間労働制は世界に広がり、現在では更に労働時間が短くなってきているのが世界の流れです。
なぜ、今日本では、19世紀後半のような長時間過密労働に戻らなければならないのか、
まったく意味が分かりません。
また、高プロは、経営者が労働時間を管理しなくても良いので、長時間労働で過労死しても
何も証拠が残らないことになり,労働基準監督署も長時間労働を認定できないという悪法です。
安倍政権は、これ以上、労働者の命を軽んじる、
そしてその家族を悲しませる政策をすすめることは辞めて欲しいです。
(事務局 佐藤)
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長時間労働による過労死、うつ病などが大きな社会問題となっている中で、
この時期に高度プロフェッショナル制度を採り入れることの意味が分かりません。
これは労働者が望む制度ではなく、使用者である経済界が望む制度です。
安倍政権は弱い立場である労働者がもっと働きやすい社会を目指すべきです。
集会には多くの参加者があり、この悪法を強行採決させることは
絶対に反対しなくてはならないと思いましたが、
このような重要な問題にもっと多く人々の関心が必要と思いました。
(事務局 塚越)
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また、当事務所の弁護士小内克浩が参加している埼玉労働法制連絡会は、
22日にさいたま市内の衆議院議員事務所を訪問し、
高度プロフェッショナル制度の危険性を説明して採決の断念を要請しました。
23日には、国会の院内集会に埼玉から100人以上の市民が集結し、
「働き方改革関連法案」の断念を要請しました。
埼玉中央法律事務所