2月17日,山梨県の甲府で開催された
「クレちほ 第33回シンポジウム in山梨 ~からかってみるじゃん!!地方消費者行政!~」
という会議に参加してきました。
この会議を主催している「クレちほ」の正式名称は,「クレジット被害対策・地方消費者行政充実会議」という団体で,ちょっと変わった名称ですが,平成17年7月に「クレジット過剰与信対策全国会議」として発足した団体になります。
当時,問題になっていた高齢者に対する呉服や貴金属を次々と売りつける次々販売や耐震補強や床下の換気目的と言って高額なリフォーム契約をさせていた悪質な業者がいたのですが,その際に,クレジットによる支払いをさせていたことから,クレジット会社に過剰与信を防止して欲しい,そして,悪質な会社を加盟店にしないように(クレジット取引ができないように)して欲しいということから,クレジットに関する法律である割賦販売法の改正を求めていたのがスタートでした。
その後,割賦販売法の改正が平成20年に実現し,その後は,そういった悪質な事業者から消費者を守るべく消費者庁の設置に向けた運動,そして,現在は,消費者行政全体の向上に向けた活動をしています。
ですので,団体の名称も当初の「くれ過剰」から「クレちほ」へと変更されていったのです。
クレジット被害と消費者行政,ちょっとつながらない感じもしますが,「第33回」というように,結構な活動実績と歴史のある団体になります。
ちなみに,タイトルにあります「からかってみるじゃん」というのは,馬鹿にしてみるといった意味ではなく,地元の方言で,ちょっと難しいけど,もう少し頑張ってみようという意味があるようです。消費者行政といった課題は,行政の中でも,あまり優先順が高くなく,なかなか運動として難しい分野です。自分は騙されるわけがない,騙された人が悪いんだと思われがちなのですが,それでも,自分の親や子ども達が,悪質業者に騙されて悲しい思いをしないように,社会全体で悪質業者を排除しよう,行政としても消費者を守ろうというようになることを願っています。
そんな中,私は,午前中の「クレジット決済等を利用した消費者被害の救済と課題」の講師担当をしてきました。
割賦販売法は平成20年に改正されたのですが,その後も,まだまだ問題は山積みで,平成28年にも大改正がなされました。
そういった経緯,そして,被害に遭われた消費者を如何に救済するか,さらに,これからの課題について,1時間程度の短い時間でしたが話をしてきています。
昨年は,この平成28年の改正について,各地で研修会が開催されており,私も,奈良や栃木などに呼ばれて講師を務めてきました。
各地で,こういった会議・研修会などを開催することで,問題意識を共有し,被害に遭わない,そして,よりよい法律を目指す意識が広まってくれることを期待しています。
ところで,今回は写真がありません。
甲府は山梨といっても,町中にいると富士山が見えないんです。
昼休みに,甲府城の天守閣跡に登られた先生から富士山が見えたよと聞き,帰りに強風の中,登ってみたのですが,そのころにはあいにくの天気で曇っており,何も見えず,寒さに震え,写真を撮ることも忘れ,おとなしく帰りの電車に向かいました。
(弁護士 松苗弘幸)