平成28年5月24日,東京お茶の水にて,日本労働弁護団主催による「安保法制と労働者・労働組合」シンポジウムが開催されました。
シンポジウムでは,東京大学名誉教授である田端博邦先生から,「戦争法と労働運動」と題して,憲法と労働運動の歴史,戦争を前提に労働組合が解体され,戦時下でいかに労働運動が弾圧されてきたか,戦後においては,労働組合が自己反省に基づき,いかに平和維持のため全国的な運動を展開し,世論形成に尽力してきたかをご報告頂きました。現状の安保関連法を巡る情勢・法律の具体的内容や,現政権の目指す改憲の動きなども踏まえて,自民党改憲草案に基づく政治が,いかに労働者にとっても危険なものであるか,それを防ぐためいかに労働者・労働組合の活動が重要かを熱弁されました。
その後,各労働組合や学者からの報告や連帯のメッセージがあり,「我々は,労働者・労働組合が国家権力によって総動員され,戦時体制に組み込まれ,戦争遂行に協力させられた過去の苦い歴史を忘れてはならない。『戦争する国』と『平和に働き平和に生きたい』という労働者,労働組合の要求が一致することはない。私たちは,労働者,労働組合の権利擁護の立場から,昨年強行採決された安保法制の廃止を強く求める。」という集会アピールが採択されました。
労働者・労働組合による平和運動が,現在の情勢において極めて重要な意味を持つことを再認識した集会でした。