2月18日(水)に、東京お茶の水にある連合会館にて開催された
「ホワイトカラーエグゼンプション反対緊急集会」に事務局2名で参加してきました。
当事務所の金子直樹弁護士が事務局次長を務めている日本労働弁護団のほか、過労死弁護団全国連絡協議会、ブラック企業被害対策弁護団の共催によるホワイトカラーエグゼンプション(WE)いわゆる残業代ゼロ法案に反対する様々な立場の方々からの報告を中心とした集会でした。
報告においては制度が長時間労働をさらに助長し、これを合法化するものであること、アメリカでも残業代支払労働者に比べWE労働者の方が、労働時間が長くなればなるほど、その割合は増え、週50時間以上の労働では、およそ3倍も多く労働している結果が発表されています。現在この制度の問題性が指摘され、規制をする動きがあることなどが紹介されました。
また、昨年過労死防止対策推進法が成立した一方で、このような制度を導入することが全く理解できないということも報告されていました。
集会では過労死によってご家族を亡くされた方々の報告がありました。
息子さんを亡くされたお父様からの報告では、大手電機メーカーに勤めプロジェクト開発に携わっていた中で、プロジェクトのほかに、通常業務もある中で長時間労働によりうつ病を発症、自死により命を絶ったというものでした。
もうひとかたの報告は医師であった配偶者を亡くされた女性からの報告でした。医師不足という状況のなか、月に8回の当直勤務などが常態化するなか、最後には病院に殺されるというような心情をご家族に打ち明けて、自ら命を絶ったということです。
お二人とも当時の状況を多くの参加者の前で気丈にもお話されていましたが、おそらく亡くなった方の言葉などを思い出すたびに、遺族としては言葉では表せないほどの辛さや怒り、守ってあげられなかったという自責の念がこみあげるのではないかと思いました。私は自分の子供が同じ状況だったら果たしてどんな事をしてあげられるのか、そんなことを考えると、たまらない気持ちになりました。
登壇されたお二人は、過労によってうつ病や体を壊したりして、命を落とされる方を一人でも社会から無くしたい、そうさせてしまう社会状況を変えたいという思いで話し、行動されたのではないかと思いました。当事者の方々の言葉を聞くと、問題の深刻さを思い、心に響くものがあることを感じました。
一部新聞等の報道では、この制度が導入されると「残業が無くなる」、「時間を気にせず自分の好きなように働ける」という解釈がされているようです。何が真実で、何を目的として、誰が利益を受けるのかをもう一度多くの人達に伝えることが何より大切なことと感じました。
国の指導者は国の成長のために労働をはじめとした様々な岩盤規制の打破というスローガンを唱えていますが、人間らしく生きるため、自由で平和に生きるために必要だから岩盤はあり、これを打破することが果たして日本の成長につながるのか、大きな疑問です。
今後もこのような集会が多く予定されています。
派遣法の改悪も緊急の問題です。
私もサラリーマンですので、決して他人事ではない話です。
みなさんもこれからの集会に足を運んで頂きこの制度について話を聞いてみませんか。
3/6(金)18:30~ 「かえせ生活時間!プロジェクト」シンポジウム
(労働会館)御茶ノ水
3/9(月)18:00~ 子育て・女性活躍から残業代ゼロ法案を考える
(衆議院第1会館 大会議室)
3/10(火)11:30~ 派遣法改悪に反対する院内集会
(衆議院第2会館 第1会議室)
3/23(月)18:00~ 日弁連アメリカ調査報告集会
(衆議院第2議員会館1階 多目的会議室)
この問題については日本労働弁護団HPに詳しく出ていますのでそちらもご覧下さい。
http://roudou-bengodan.org/
(事務局長 塚越)