9月27日に、加須市民プラザにて、日弁連人権擁護大会プレシンポジウム
「彩の国から考える-原発のない未来へ-」が開催されました。
私は、同シンポジウムの実行委員として、
6月頃から準備を行ってきました。
当初は、テーマをどうするか、講師として誰を呼ぶか、どんな構成にするかなど白紙の状態でしたので、委員で何度も集まって意見交換をしながら進めていきました。
埼玉で弁護士会が主催する講演会などは、浦和近辺でやることが多いのですが、
今回の会場は、なんと加須!浦和からは電車で50分くらいかかります。
なぜ加須で開催することになったかというと、加須市内には、最後の避難所となった旧騎西高校があり、
今なお、市内に沢山の避難者の方々が生活していることが大きな理由です。
とは言っても、正直、浦和に比べて、集客面の不安はかなりありました。
しかし、最後は,委員は団結して、加須でやることに意味があるんだ!と自分たちに言い聞かせて(浦和では夜の時間に会場が取れたので、どちらにするか、当初意見は割れましたが)、開催場所を決定したのでした。
例年、シンポジウムの準備には半年くらいかけるのが通常と聞きましたが、今年は準備期間が短く、チラシ作成、チラシ配布、会場下見、弁護士会へのニュースの発行など、急ピッチで進める必要がありました。
私も、大して役には立てませんでしたが、現地の下見に行ったり、脱原発埼玉など普段から活動しておられる方にチラシの配布をお願いしたりなど、準備をしてきました。
そんなこんなで迎えた当日でしたが、会場は、満員とまではいきませんでしたが、
約240人もの方に参加して頂くことができました!
当日、私は司会を担当させて頂きました。
シンポジウムの内容としては、まず、早稲田大学の辻内准教授に、被災者へのアンケートを元に、
被災者の抱えるストレスの大きさを、詳細なデータの分析を基に、報告頂きました。
次に、立命館大学の大島堅一教授に、経済学者の立場から、
原発がいかに割に合わないかについて講演して頂きました。
大島先生は具体的な数字を基に説明され、数字に弱い私にとっても非常に説得力があり、
この話を原発推進論者に突きつけてみたいと思って聴いていました。
後半からは、今年の5月に画期的な判決を勝ち取った、大飯原発運転差止訴訟弁護団の一員であられる
内山成樹弁護士をお迎えし、辻内先生、大島先生とパネルディスカッションをして頂きました。
内山弁護士は、地震動について熱心に研究している方で、
弁護士と思えないぐらい専門的な知識をお持ちであり、こんな弁護士もいるんだと驚きました。
※ちなみに、「地震」と「地震動」は全く違う事象なので、区別して論じないといけないとのことです。
内山弁護士は、九州の川内原発の差し止め訴訟にも関わっておられ、
同訴訟についてもとても心強い発言を頂きました。
パネルディスカッションでは、被災者の支援を通じて被災者と支援者がつながり、それぞれの役割を担いながら、原発のない未来に向けて運動の輪を広げていくことが大事であることなどが確認されました。
会場の皆さんからも沢山質問を頂き、いくつかを選んで、講師の方々に回答して頂きました。
市民の方々の関心の高さや熱意を感じ、私自身も未来への希望を持つことができました。
当日頂いた沢山のご意見は、今後の弁護士会や弁護団等の活動に生かしていきたいと思います!
(弁護士 増田悠作)